ときどきoffbeat

みつける・かけよる・つまずく日々

場を背負う

個人事業主になって1年。 ふらふらしていて危なっかしいのか脇が甘いのか、いろいろご指摘をいただく機会が多い。 なかでもお手伝いをしている(主催ではない)勉強会については、 効果が低い、こんな内容で参加費を取るなんて図々しい、 そもそもお前は何を目指していて、何のためにわざわざ遠くまで来ているのか…など、 直接、間接双方でいろいろご意見をいただく。

その勉強会はある業界で毎月開催するもので、 主催者が希望するテーマを加工してワークショップに仕立てていき、ファシリテーションするのが私の役割である。 勉強会の立て付けは、主催者側が、会場設営費などに私の交通費までを経費とみて参加費を徴収している。 行政などが主催し無料が当たり前のこの業界では安くはないが、毎回10数名から多い時で30名ほどの人が集まる。 ハウツーものでなくすぐ使えるというほどでもなく、ただ議論するだけのような感じだが、毎回来てくださるかたも少なくない。

冒頭のような「ご意見」をいただくかたの背景には、 ・教える⇔教えられるという関係性を高く評価する ・参加者を選抜して何か別のことをするためのフックとして「場」というものが存在する という傾向があるようだ。

それでいえば、いまやっていることは、 ・考えるきっかけを提供する場にすぎず、それぞれの課題にあわせ動くことを期待する ・選抜する場ではないので多様(むしろ雑多)である、でもそこで意見を持ち討議することが重要である ・自分たちの問題として考えるためにファシリテーターを敢えて外部から呼ぶ という立て付けなのだから、そりゃあ相容れないよなあ…と思いながらご意見を承る。

なぜわざわざご意見をくださるのだろう、と不思議に思うのだが、これを読んで腑に落ちたところがあった。

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常連さんと新人さん、ときどきさんそれぞれ、毎月2時間ほどのこの「場」に対して背負う覚悟をもってくださるのだ。 そう考えると、さらに身が引き締まる思いがする。 おしかりはおしかりとして引き受けながら、この場を引き受けようとする人を増やしていきたい。


そういえば、参加者は個人事業主ベンチャー社長がほとんどで、従業員というものに対する不満が多い。

企業などの組織が停滞すると、その組織に居続ける人のことを、あたかも居心地のいい環境を変えないような「変化を好まない」人と決めつけがちである。

こういうことなのだろうが、組織を出ることだけがリスクを背負うわけではない。 そのことも伝えていきたい、というのが、私がこの業界に関わるテーマのひとつだった。 そんなことも参加者にはうっすら見えているのだろう。

この勉強会、期限を決めずに走りはじめて半年。 この先もどこへ行くのか、どこまで行くのか。どこまで一緒に行けるのか、楽しみだ。