国道358号線
駿東郡長泉町へ出かけてきた。 ルート検索をすると、甲府の自宅からは、大月〜富士吉田〜須走〜御殿場…という経路と、国道358号線で富士から回る経路が出てくる。 時間的にはどっちもどっち。となると、つい358号線を選んでしまう。
生まれ育った富士市。嫁に来た甲府市。 嫁いだ10年前、「どこから来たでぇ」と訊かれ、「富士です。静岡の」といったら、 聞こえなかったかのように、「だんなはどこでぇ（どこ出身？）」と返された。 富士山の向こうだろうがなんだろうが、山梨とそれ以外しかない町なんだと理解した。
くねくねとした山道を超え、上九一色の集落を通り、精進湖を過ぎ右折すると国道139号に入る。 間もなく左側に富士の裾野が広がり、私のふるさとスイッチが入る。 帰り道はなぜか、たいてい夜中になる。 眠くてガードレールに激突しそうになったこともあった。 曲がり角に鹿を見つけて慌てたこともあった。 くねくねした坂を勢いよく降りていくと、目の前にキラキラした甲府盆地が見える。 そこで、私の山梨スイッチが入るのだ。
ここ数年はどこそこの山道を車で走ることが増えた。 でも、358号線の山道は、ほかのどことも違う。
